長田幹彦『秘本・阿部お定』をリリースしました。
書誌情報
・著者:長田幹彦・解説:伊藤裕作
・表紙イラスト:aco
・編集:渡辺豪
・仕様:B6 / 228ページ / 並製 / グラシン紙カバー
忽然と消えた元遊女 阿部定
飛田遊廓、松島遊廓、丹波篠山遊廓で遊女として身をひさいでいた阿部定。昭和11年、軍国主義の風潮が忍び寄り、日本全体が重苦しい空気に包まれる中、淫蕩の限りを尽くした上に情夫の局部を切断し殺害する。刑期を終え、戦後は坂口安吾や織田作之助といった無頼派にも影響を与え、旅館や小料理屋の女将として晩年を過ごしながら、ある日、忽然と姿を消した。今も阿部定の消息は不明となっている。阿部定を描いた幻の作品
当作品は昭和25年、花街文学で知られる作家 長田幹彦と阿部定が急接近して生まれた作品。実家を飛び出した阿部定が世間を流浪し、阿部定事件が起きるまでを描く。発表から66年、これまで再録されることのなかった初の復刻作品。阿部定による手記も含む歴史的資料
当作品は戦後の爪痕残る昭和24年に発刊された『夫婦生活』に連載されていたもの。『文芸春秋』が20万部であった当時、同雑誌は最大発行部数30万部を誇った性技巧・性情報雑誌『夫婦生活』。当作品には、長田幹彦による小説の他、阿部定の筆による手記も収録されている。(昭和23年発行の『阿部定手記』とは別物)これまで再録されることのなかった貴重な資料集を附録
長田幹彦による小説の他、後半には資料性の高い貴重な原稿を収録。・性科学者 高橋鐵と阿部定の対談
・戦後に阿部定が全国巡業した際の手記
・阿部定事件を担当した弁護士 太田金次郎・竹内金太郎の回顧録
など全6篇。
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