昭和21~24年という、戦後のわずかな時期に発行されていた特殊な大衆娯楽誌群を指して、誰ともなく「カストリ雑誌」と呼んだ。退廃的な性を綴った急拵えの記事を、粗悪な用紙に印刷し、原色の表紙で包んだ薄っぺらな雑誌。戦後の荒んだ世相の中で、大衆はカストリ雑誌に飛びつき、貪った──。
戦後70年を経て、カストリ雑誌のコレクション集がついに発売! 戦前生まれのカストリ雑誌コレクター西潟浩平(80)氏が蒐集した創刊号116誌の全表紙(フルカラー)と全目次を収録した、戦後雑誌史の空白を埋める一冊! 当時のカストリ雑誌と同じ判型B6サイズでありのままの雰囲気を伝える大型本。
目次
・創刊号表紙コレクション(116誌)
・カストリ雑誌小研究
カストリ雑誌統計データ
カストリ雑誌の始まりと終わり
検閲文書にみる『猟奇』の廃刊まで
『猟奇』が発禁(刑法175条)となった理由
・創刊号 書誌情報
・創刊号 目次
・解説
・参考文献
仕様
・価格:2,900円+税
・サイズ:B5
・頁数:
・著者:西潟浩平
・解説:渡辺豪
・発売日:平成30年4月25日
・発行:カストリ出版
フルカラー表紙100誌超
カストリ雑誌コレクター西潟氏が蒐集したカストリ雑誌のうち、貴重な創刊号だけをピックアップ。男女の交情をどぎつくも今の目には新鮮に映る表紙を、すべてカラーで収録。創刊号の表紙を収録した単行本としては最大点数となります。
カストリ雑誌収集に役立つ創刊号目録も全収録
表紙に加えて、創刊号に収録されている作品の目次をすべて採録。カストリ雑誌創刊号に収録されている作品を明らかに。併せて装画・挿画を担当したイラストレーター名も記載。これまで明らかにされてこなかった、無名のコンテンツメーカーたちをインデックス化。
統計で見るカストリ雑誌
これまで書き手の記憶や印象、見識に頼って叙述されてきたカストリ雑誌の特徴を、統計データから客観的に分析。昭和21年から25年前後までに創刊されたカストリ雑誌の価格、頁枚数、創刊ピークなどを解析。これまでにないカストリ雑誌の客観的に定量化。今後のカストリ雑誌研究の指針を示す。
GHQをして「良俗の堕落に満ちている」と評されたカストリ雑誌『猟奇』
戦後初の発禁書『猟奇』、GHQが残した検閲文書から探る。戦前は内務省警保局が思想及び風俗の安定のため検閲を行ってきた検閲制度、戦後は代わってGHQ配下機関CCD(Civil Censorship Detachment=民間検閲局)が占領政策の一環として検閲を行っていた。カストリ雑誌『猟奇』は、GHQをして「良俗の堕落に満ちている」と酷評され、戦後初の発禁処分(刑法175条適用)を受ける。カストリ雑誌の嚆矢でもあり、〝戦後言論弾圧史〟の嚆矢とも言える『猟奇』。プランゲ文庫に保管されていた検閲文書を元に、『猟奇』の数奇な運命を詳細に解説。
0 件のコメント:
コメントを投稿