2015/03/13

『全国遊廓案内』(昭和5年)

全国女性街ガイド』復刻に続き、『全国遊廓案内』を復刻!!

・編者:全国遊覧社
・復刻編集:渡辺 豪
・復刻発行:カストリ出版
・仕様:新書サイズ(110 × 180 mm) / 320ページ / 並製



 >>Kindle版(¥1,250)



敗戦を境に揺れ動いた色街


 戦前昭和5年(1930年)の遊郭ガイドブックを復刻。

最もドラマチックな時代の貴重記録


 日本の色街は第二次世界大戦を境に、激動に激動を重ねた。それまで法制度で厳然と確立されていた公娼制度が戦後に解体され、娼妓という職業や妓楼(貸座敷)も消滅。変わって産声を上げたのが「赤線」であった。公娼から黙認政策、そして禁止へと、戦後一気に180度舵が切られる。

 制度といったシステムだけではなく、審美的な面でも色街は様変わりした。国土の多くは焦土と化し、都市と共に多くの遊郭は灰燼と帰した。そして新たに産声を上げたのが、いわゆるカフェー建築である。蝋燭で妖しく照らされたベンガラ格子の時代から、鮮やかな発色の豆タイルを纏ったカフェー建築。
 戦前と戦後期、もっともドラマチックだった時代に発行された当著を復刻!

装幀も再現


 心惹かれる原著の装幀…。丸窓から覗く娼妓のイラストレーション、艶っぽいピンク色の表紙。当時の好事家たちがこっそりと書店の本棚から引き出していたであろう、当時の装丁を再現。

愛らしいコンパクトサイズ


 判型は原著に近い新書サイズ。横11センチ、縦18センチ。遊郭探求の旅のお共に持ち歩きたくなる愛らしいサイズ。

戦前と戦後 両極から光をあてる


 当著の最大の愉しみとも言えるのは、『全国女性街ガイド』との対比。戦前存在した遊郭(貸座敷免許地)は、戦後の焼け野原から復興した後どのような街になったのか…? 跡形もなく消え失せ住宅地となった街、復興後も色街としての残り続けた赤線街。是非、2著を並べてご覧に頂きたい。

付録記事 80年間の通説をくつがえす新事実


 これまで『全国遊廓案内』は「発禁本」として、ともすると扇情的な響きをもって紹介され続けてきた。

それは確かに事実だろうか…? 

 多くの著書で「発禁本」として紹介されてものの、その経緯や詳細について触れているものは一冊として存在しない。この状況が発行から実に80年間も続き、あの発禁本の大家、城市郎氏でさえ発禁本として紹介していた。

 これまで全く知られていなかった新事実が明らかになる。調査期間に2ヵ月を掛けた渾身の調査記録。

付録記事 80年間の通説をくつがえす新事実


秋田県の郷土史研究家 小松和彦氏による色街変遷史(12P・図版付き)。秋田県をモデルケースに、大戦を跨いだ色街の変遷を追う。戦前期の遊廓を取り巻く状況の解説は、小松氏が当時の新聞アーカイブを始め、現地の古老からの聴き取りと、デスクワークとフィールドワークを何度も往復し、極めて泥臭くかつ丁寧に掘り下げたものです。読み物としても面白いだけでなく、調査記録としてもたいへん貴重なもので、今後の評価がたのしみな資料です。

 >>紙書籍版(¥2,500)
 >>Kindle版(¥1,250)

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